住民税・固定資産税について
被相続人の納税義務は相続人に承継される
相続人は、プラスの財産を相続する場合は、マイナスの財産もともに承継しなければなりません。マイナスの財産の代表的なものは借金やローンなどの債務ですが、
被相続人に納税義務のある税金もこれにあたります。 所得税にかかる準確定申告は、相続人自らがおこなわなければならないという決まりがあるので、一連の相続手続きの中で意識して取り組みやすいのですが、住民税や固定資産税などの税金は、
被相続人の死亡後、相当の期間が経ってから納税通知書が届きます。存在を見落としがちな債務なので、遺産分割協議で、誰が納税するのか忘れずに決めておきましょう。
住民税とはどんな税金か
住民税は、住所地の市区町村から課税される税金で、地域社会の費用をできるだけ多くの住民に分担してもらう、という性格を持っている税金です。一般的には
市町村民税(東京23区では特別区民税)と
道府県民税(東京都では都民税)の総称が住民税です。 個人住民税にもいくつか種類があり、通常は前年の所得金額に応じて課税される
所得割と、所得金額にかかわらず定額で課税される
均等割というものを合算して納めます。住民税の均等割と所得割は、
1月1日現在の住所地で、前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して課税されます。 なお、専業主婦や学生のように所得のない人や生活保護を受けている人、前年の所得が一定金額以下の人などは非課税となるケースもあります。
支払方法は2種類ある
住民税を納める方法は、サラリーマンとそうでない方とで異なり、それぞれ
「特別徴収」「普通徴収」といいます。
給与所得者(サラリーマン)については、給与を支払う者(事業主)が、その年の6月から翌年の5月までの12回に分けて給与から天引きし、事業主が取りまとめて住民税を納付する特別徴収という方法で納税します。
死亡後は、勤務先を通じて普通徴収に切り替える手続きをとることになります。 普通徴収は、事業所得者や公的年金所得者など給与から住民税を差し引くことができない人などを対象とした納税方法です。通常、
毎年6月に、市町村・特別区から納税義務者に税額通知書(納付書)が送付され、この納付書により市区町村役場や金融機関などの窓口で支払います。納期は通常、6月・8月・10月・1月の4期となっています。
口座振替で支払っている場合は、口座が凍結されて引落しができなくなるので注意が必要です。 どちらの方法も、未納のものがあれば相続人に支払い義務が生じます。支払い漏れがないようにチェックしましょう。
納税する相続人の代表者を決め、届出をする
納税する相続人が決まったら、市区町村役場(都税事務所)に
「相続人代表者届出書」(自治体ごとに名称が異なります)を提出します。そうすると、代表者となった相続人のもとに納税通知書が届くようになります。相当の期間内にこの届出がない場合は、自治体が独自に代表者を選んで納税通知書を送る場合があります。なお、実際に支払をする人は誰でもかまいません。
固定資産税・都市計画税とはどんな税金か
固定資産税は、
「土地・家屋・償却資産」を所有している人に課税される税金で、その資産価値(固定資産税評価額)を課税標準として税額を算出します。通常は、市町村が課税しますが、東京23区は、都が課税します。 土地・家屋については、
その年の1月1日時点の所有者が1年度分の税金を納付することになっていますので、年の途中に売買などで所有者が変わった場合でも、1月1日現在所有者として登録されていれば、全額を納付する必要があります。 償却資産とは、会社や個人で工場や商店を経営している人やアパートや駐車場などを貸し付けている人が、
その事業のために所有する構築物、機械、備品等の固定資産(土地、家屋、自動車を除く)のことです。その年の1月1日現在、所有している償却資産について1月末までに市町村(都税事務所)に申告し、それに基づき後日納税通知書が送られてきます。 納税は、
市町村(都税事務所)から送付される納税通知書によって納める「普通徴収」によっておこないます。納期は東京23区では6月・9月・12月・2月の4期となっています。(自治体により若干異なります。) 都市計画税は、都市計画法による「市街化区域(東京23区や大阪などの大都市圏)」内に所在がある土地・家屋について課税される税金で、その名のとおり、街づくりの財源として使われる名目のものです。固定資産税とともに徴収されます。
その遺産を相続した人が納税義務者になる
被相続人の死亡年度の固定資産税について、
未納分があれば相続人が納税義務を引き継ぐことになります。納税をする相続人が決定したら、市町村役場(都税事務所)に
「相続人代表者届出書」(自治体ごとに名称が異なります)を提出します。そうすると、代表者となった相続人のもとに納税通知書が届くようになります。(実際に支払いをする人は誰でもかまいません) 年内に相続人への所有権移転登記(名義変更)をおこなった場合、翌年分以降は、登記された
新しい所有者が納税義務者になります。滞納している税金が多い場合は相続放棄を検討する
「亡くなった母が住民税と国民健康保険料を50万円滞納していた」など、被相続人が滞納していた税金=マイナスの財産が多くて困っている場合は、相続放棄を検討します。 家庭裁判所で相続放棄の手続きをしたあと、課税者(市町村など)に相続放棄陳述受理証明書の写しを提出すれば、滞納分の支払いを免れることができます。 もっとも、相続放棄をすると、プラスの財産も承継できなくなること、放棄する場合は、次順位の法定相続人に債務が承継されないように全員ですること、など注意しなければならないこともあります。このようなケースでは、専門家に相談して手続きをすすめるのがよいでしょう。
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