相続手続 遺言書作成 死後事務委任 の専門家
家族が亡くなり、まずはじめにしなければならないのが死亡届です。期限は死亡後7日以内ですが、この届出をしないと火葬や埋葬の許可が下りませんので通常は死亡当日か翌日にはおこなうことになります。
届け出先機関は、故人の本籍地、死亡地、届出人の住所地のいずれかの市区町村役場です。同居の親族などが届出人となりますが、実際に役所に出向くのは誰でもよく、通常は葬儀社に代行してもらえます。
死亡届の用紙は、右側に死亡診断書(死体検案書)が付いていて、これが死亡届の添付書類になります。亡くなった病院で医師が死亡診断書を書いて渡してくれますので、遺族は死亡届の欄に必要事項を記入します。
なお、やむを得ない事情があるときは、死亡を証明する書面を提出し、死体検案書または死亡診断書が提出できない理由を届出書に記載することで死亡届を提出することができます。
死亡届の書式例 ※提出する市区町村により、書式は若干異なります。
死亡届を提出するときに同時に埋火葬許可の申請をおこないます。このとき交付される火葬許可証が火葬をするために必要です。
火葬許可証は火葬場の係員に提出しますが、火葬が終わると火葬済み証明を書いて返してくれます。これが今度は埋葬許可証になります。
納骨をする際は、墓地や納骨堂の管理者に埋葬許可証を提出します。墓地の形態によっては提出しないこともありますが、埋葬許可証は5年間の保存義務があるので、捨てないように注意しましょう。
臨終から2,3日は通夜・葬儀・告別式と、まさに息つく暇もない慌ただしさです。この間は僧侶へのお布施、飲食代、火葬代…などいろいろな出費がありますが、すべて記録をとるようにしてください。なぜなら、これら葬儀に関する費用は、のちに相続税を計算する際に相続財産から控除することができるからです。
領収書の保管はもちろん、お布施やお車代、手伝いの人たちへの心付けといった、領収書の出ない支出も忘れずに記録しておきましょう。
一方、香典はリストを作成して管理します。早目に開封して金額を確認し、その日のうちに集計するようにしましょう。
控除できるもの |
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控除できないもの |
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葬儀が済んだら、故人が取引していた銀行などの金融機関に死亡の届をおこないます。
死亡届などにより金融機関が死亡の事実を知ると、故人の預金口座や貸金庫などすべての取引は停止され、相続手続きが終了するまで預金の引き出しはできなくなります。相続手続きが終わって承継者が決まるまでは、遺産は相続人の共有物です。誰かが勝手に引き出してしまうと遺産の価値が変わってしまうので、少々不便ですが、相続財産の保全をするために必要な措置といえます。
取引を停止されたあとで、当面の生活費や葬儀代金の支払いなどで困らないよう、事前に対策を講じておく必要があります。
預金口座の取引が停止されると、口座振替もストップします。故人の口座から引き落としになっていた電気、ガス、水道などの公共料金の支払い方法を変更すると同時に、契約者の名義変更も済ませておきましょう。
このほか、クレジットカードや携帯電話を持っていた場合には、解約の手続きが必要になります。
生命保険金の請求や死亡したことの証明など、相続の手続きではいろいろな場面で死亡診断書が必要になります。なかにはコピーの提出で済む場合もありますので、死亡届を出す前に何枚かコピーを取っておくと便利です。
簡易保険(かんぽ生命は含まない)と公的年金の手続きで使う場合は、役所で死亡診断書の写し(死亡届の記載事項証明)を発行してもらえます。請求先は本籍地の市区町村役場で、手数料はおおむね1通350円です。ただし届出書類は翌月には法務局に送付されてしまうので、それ以降は本籍地を管轄する法務局に請求することになります。
役所が発行する死亡診断書の写しは使用目的に制限があり、民間の生命保険の請求に使う場合は交付されません。よって、この分は病院に依頼します。手数料は病院によって違いますが、1通につき2,000円~6,000円程度です。