遺言書が必要なケース:家族(相続人)の仲が悪い
もしあなたが遺言書を残さずに亡くなった場合、相続人となる家族全員の話し合いで遺産の分け方を決めることになります。 この話し合いのことを遺産分割協議といい、話合いの内容を記した書面を遺産分割協議書といいます。
遺産分割協議書には、相続人全員で署名し、実印を押印します。 この遺産分割協議書がなければ、不動産の名義変更も銀行預金の解約もおこなうことができませんが、
相続人が1人でも内容に納得しなければ(サインしなければ)成立せず、相続手続きを進めることができません。 最悪の場合、調停や審判といった裁判手続きによって泥沼化することもありえます。 相続のもめごとは、単に相続する財産の多い少ないの損得ではなく、「相手のことが気に入らない」という感情論が影響するものです。
けんかやもめごとのきっかけが些細なものであっても、相続の場面では大きな紛争に発展しがちです。
このような展開を防ぐ一番の方法は、法的に有効な遺言書を残しておくことです。
遺言書で指示された遺産分けの指定は、相続人の意思よりも優先されます。
遺言書があれば、相続人同士が話し合う必要がなく、醜い争いを防ぐことが可能になります。 また、遺言執行者(遺言の内容を実行する代理人)も指定しておけば、その人が単独で相続手続きを進められるので、よりスピーディーに手続きをおこなうことができます。