相続手続 遺言書作成 死後事務委任 の専門家
親子交流とは、離婚や別居によって離れて暮らす親と子どもが、会って過ごしたり、電話や手紙などで交流したりすることです。「面会交流」とも呼ばれています。
離婚しても、親子のつながりはなくなりません。安心して交流できることは、子どもが親との関係を保ち、成長していく上で大切な意味を持ちます。
ただし、交流は親の希望だけで決めるものではありません。
子どもの利益を最優先に、気持ちや安全、年齢、生活状況に合った方法を考えることが大切です。
親子交流は、親権者であるかどうかだけで決まるものではありません。単独親権の場合も、共同親権の場合も、子どもにとって望ましい交流の内容を検討します。
共同親権だから、会う回数や宿泊の日数が自動的に決まるわけではありません。また、親権者でないことだけを理由に、交流ができなくなるわけでもありません。
離婚前の別居中でも、親子交流について取り決めることができます。
子どもの年齢や発達の程度に応じて、その意見や気持ちを丁寧に受け止めることも大切です。
会うことに不安や抵抗を示している場合は、その理由を確認し、無理のない対応を考えます。
ただし、父母のどちらかを選ばせたり、交流するかどうかの判断を子どもだけに委ねたりして、負担をかけないよう配慮しましょう。
親子交流には、例えば次のような方法があります。
| 方法 | 内容の例 |
|---|---|
| 直接会って過ごす | 公園で遊ぶ、一緒に食事をする、外出する |
| 電話・オンラインで話す | 決めた時間に電話やビデオ通話をする |
| 手紙やメッセージを送る | 手紙、メール、誕生日のメッセージなどをやり取りする |
| 子どもの様子を伝える | 父母間で写真や近況を共有するなど、間接的な交流を行う |
遠方に住んでいる場合や、長く会っていない場合などは、短時間の交流や間接的な方法から始めることも考えられます。
宿泊を伴う交流についても、子どもの希望や年齢、これまでの関係、宿泊先の環境などを踏まえて検討します。どの家庭にも同じ方法が適しているわけではありません。
「自由に会う」「その都度相談する」だけでは、日程調整や受渡しをめぐって行き違いが生じることがあります。
子どもの生活に無理のない範囲で、基本的なルールを具体的に定めておきましょう。
| 項目 | 決めておきたい内容 |
|---|---|
| 頻度・日程 | 月に何回程度か、日程をいつまでに決めるか |
| 時間 | 開始時刻・終了時刻、1回の交流時間 |
| 場所・過ごし方 | 交流場所、外出や宿泊の取扱い |
| 受け渡し | 待合せ場所、送迎の担当、第三者の立会いの有無 |
| 連絡方法 | 父母間の連絡手段、緊急時の連絡方法 |
| 費用 | 交通費や交流中の費用を誰が負担するか |
| 変更・中止 | 病気や学校行事などで実施できない場合の連絡、振替の方法 |
| 写真・情報の取扱い | 撮影やSNSへの掲載、住所などの情報共有の範囲 |
| 見直し | 入学・進学、転居などに応じた再協議 |
回数を多くすることだけが、子どものためになるとは限りません。学校、友人関係、習い事、休息の時間も大切にしながら、継続できる内容を考えます。
暴力、脅迫、虐待、子どもを連れ去るおそれなどがある場合は、子どもや同居する親の安全を最優先に考える必要があります。
子どもへの直接の暴力がなくても、父母間のDVによって子どもが強い不安や恐怖を感じている場合などは、慎重な検討が必要です。
状況によっては、第三者の立会い、受渡しの支援、間接的な交流への変更、交流の制限や一時的な見合わせなどを検討します。
支援団体を利用すれば、どのような状況でも安全に実施できるというものではありません。
危険や強い不安がある場合は、無理に直接交渉や交流を進めず、弁護士や配偶者暴力相談支援センターなどに相談してください。
父母が直接連絡を取り合うことや、子どもの受渡しに難しさがある場合には、親子交流支援団体を利用する方法もあります。
団体によって、日程などの連絡調整、子どもの受渡し、交流への付き添いなどの支援を行っています。
利用条件、対応地域、費用、支援できる範囲は団体ごとに異なります。
父母双方の合意や事前の面談などが必要になる場合もあるため、希望する支援を受けられるか、あらかじめ確認しましょう。
「養育費を払わないから会わせない」「会わせてもらえないから養育費を払わない」という扱いはできません。
養育費は子どもの生活を支えるためのお金であり、親子交流の対価ではありません。不払いがある場合は、養育費の請求や回収の問題として対応します。
親子交流については、養育費の支払状況だけで判断せず、子どもの利益や安全、生活状況を踏まえて考えます。
親子交流について合意できない場合や、父母で話し合うことが難しい場合は、家庭裁判所の「親子交流調停」を利用できます。
離婚後だけでなく、離婚前の別居中でも申立てが可能です。
調停では、子どもの年齢や生活環境、親子関係、意向などを踏まえて、交流の実施や具体的な方法について話し合います。
調停が成立しない場合は、原則として審判に移行し、裁判官が判断します。
すでに取り決めがあっても、子どもの成長や生活環境の変化などにより、その内容を見直す必要が生じることがあります。
変更について合意できない場合も、家庭裁判所の手続を利用する方法があります。
2026年4月1日施行の改正では、親子交流について、主に次のルールが整備されました。
試行的実施は、すべての事件で一律に行うものではありません。また、祖父母などが無条件に交流を求められる制度でもなく、裁判所が交流を定めるための要件や、申立てをできる人についての条件があります。
いずれも、子どもの利益を最優先に考えて判断することが基本です。
親子交流について合意できたら、内容を離婚協議書などの書面に残しましょう。基本的なルールと、事情が変わったときの相談方法を明確にすることで、認識の違いを減らせます。
ただし、親子交流の約束は、公正証書に記載しただけで、養育費などの金銭の支払と同じように強制執行できるものではありません。
吉村行政書士事務所では、当事者間で合意した内容を整理し、離婚協議書の作成や公正証書作成のサポートを行っています。
交流の実施や条件について争いがある場合、DV・虐待などへの対応や、相手方との代理交渉・裁判手続が必要な場合は、弁護士などへの相談をご案内します。