相続手続 遺言書作成 死後事務委任 の専門家

同性カップルの死後事務委任契約|パートナーと事務所の役割・切替え・手続きの区分

同性カップル・二人暮らしの死後事務委任契約

見送ることも、その後の暮らしも支える。

パートナーに任せたいこと。事務所に支えてほしいこと。最初のお別れと、残された方の死亡後を分けて準備します。

並んで歩む二人の女性のイラスト

死後事務委任契約は、自分が亡くなった後の葬儀・納骨、必要な解約・精算などを、生前に頼んでおく契約です。パートナーを主な受任者にし、当事務所を予備の受任者・支援役にする方法と、初めから事務所が実務を担う方法があります。

一方が亡くなっても、もう一方の生活は続きます。住まいを明け渡す、電気を止める、家財を処分するといったことを一律に行わず、亡くなった方の事務と、残された方の暮らしを両立する内容に整えます。

パートナーに任せることも、契約で明確にします

同性パートナーとの間には、その関係だけでは法律上の親族関係が生じません。葬送を任せたい相手と、事業者・病院等の窓口で手続きを行う人を明確にするため、パートナーを死後事務の受任者として定めます。

親族であることだけで、すべての契約を解約したり、財産を処分したりできるわけでもありません。受任者がパートナーでも事務所でも、委任する事務、使う資金、必要な代理権、関係先の取扱いを確認します。

パートナーが主に担う

事務所は待機し、必要なときに支える

遺影を抱き、大切なパートナーを見送る女性のイラスト

パートナーが葬儀や連絡・手続きを行える間、事務所による執行は待機する内容にします。パートナーが希望した場合は、一部または全部を事務所が担えるように準備します。

パートナーの死亡、病気、判断能力の低下などで対応できなくなった場合の、事務所への切替条件も契約に定めます。

事務所が主に担う

パートナーは希望する形で見送る

本人の希望に沿って葬送を引き受ける行政書士のイラスト

当初から事務所を主な受任者にして、病院・葬儀社への連絡、各種手続き、費用の精算等を任せる構成です。

パートナーが喪主として見送ることと、実務を事務所に任せることは両立できます。葬儀の希望、参列者、納骨先を本人・パートナーと共有します。

「事務所」という呼び方だけで済ませず、公正証書では受任者となる人・法人を特定します。主な受任者が担えなくなった場合の交代・連絡・記録の引継ぎまで整えます。

事務所が動き始める場面を決めます

パートナーを主な受任者にする場合の一例
亡くなったときの状況実務の進め方
パートナーが対応でき、本人も希望しているパートナーが実務を行います。事務所による執行は待機し、あらかじめ決めた連絡・相談の関係を続けます。
対応はできるが、負担が大きいパートナーからの依頼に応じ、事務所が一部または全部を担います。引き受ける業務・権限・費用を確認し、重複や漏れを防ぎます。
パートナーが入院等で対応できない契約に定めた切替条件を確認し、事務所が必要な執行を担います。何をもって「対応できない」とするか、確認方法も先に決めます。
パートナーが先に死亡・同時に死亡している予備の受任者等が引き受ける契約内容に従い、事務所が実務を担います。お二人それぞれの契約・費用を区別して処理します。

「契約を結ぶこと」と「事務所が執行を始めること」を分けて設計します。お二人が健在なうちに契約を整え、死亡後もパートナーが担える間は、事務所の執行を待機させる構成です。待機中でも依頼により支援できることを明記します。

切替条件は、パートナーの死亡、後見等の開始、病気や障害による実務遂行の困難などを具体化します。二人の関係が解消した場合や受任者が辞退した場合も、契約を見直す対象です。

亡くなった方から頼んでおける主な事務

葬送と関係者への連絡
葬儀社との連絡、ご遺体の搬送・葬儀・火葬・納骨等の手配、指定した方への連絡。誰を呼び、誰に関係を説明するかも決めます。
病院・施設等との精算
故人の入院費・施設利用料の確認と支払い、私物の引取り、必要な契約の終了。支払資金と立替金の取扱いを準備します。
不要となる契約の終了
故人だけが使っていた携帯電話、会員契約、定額サービス等の解約・精算。共同生活で引き続き使うものは、存命の方と確認してから扱います。
家財・住まいの整理
本人の物、パートナーの物、共有物を区別し、処分してよい範囲と時期を定めます。財産の処分・引渡しは、遺言執行や権利者との調整も含めて準備します。
届出・返納等の連絡調整
資格証明書の返納など、制度上必要な手続きと担当者を確認します。届出人の資格がある人が行う届出と、受任者ができる事務を区別します。

死亡届は、死後事務受任者という資格だけで届出人になれるものではありません。同居者、任意後見人・任意後見受任者など、戸籍法上の届出資格も確認します。パートナーに親族関係がなくても、同居者として届出人になることは可能です。

預金の払戻しや遺産の引渡しまで、一切を死後事務委任だけで行う設計にはしません。遺言・遺言執行と内容を合わせ、資金の確保、支払い、残った財産の引継ぎをつなぎます。

存命の方が申し込む手続きは、別の依頼です

誰が契約者・請求者・申告義務者なのかが、区分の基準です。死亡がきっかけで必要になった手続きでも、すべてが亡くなった方の死後事務になるわけではありません。

故人からの委任と、存命の方からの依頼の区分
手続き誰の手続きか当事務所の関わり方
電気・ガス・水道等の解約・精算故人の契約を終了する手続き。契約内容・権限・事業者の取扱いを確認します。死後事務として委任する対象にできます。残された方が利用中なら、一律に解約しません。
存命のパートナー名義での継続利用・支払方法の変更引き続き使う方が、新しい契約者・支払者として申し込む手続き。故人からの委任だけで新しい名義人を代理しません。その方から別途依頼を受け、窓口確認や必要な手続きを支援します。
未支給年金・遺族年金の請求給付ごとの資格を満たす請求者自身の手続き。請求資格の確認を含め、年金事務所・社会保険労務士につなぎます。証明書や死後事務契約だけで受給資格は生じません。
死亡保険金の請求保険契約で定められた受取人自身の手続き。受取人からの依頼により、必要書類・保険会社の窓口の確認などを支援します。故人の口座へ集める遺産とは分けます。
所得税の準確定申告亡くなった方の所得について、相続人・包括受遺者が行う申告。申告義務のある方と税理士をつなぎ、資料の整理・連絡調整をします。申告が必要なら、通常は相続開始を知った日の翌日から4か月以内です。
相続税の申告相続・遺贈等で財産を取得し、申告義務を負う方の手続き。その方から税理士へ依頼する形を整えます。申告が必要なら、通常は死亡を知った日の翌日から10か月以内です。

「名義変更」には、単なる表記訂正と、利用者・契約者・支払者が変わる手続きがあります。この表は、存命の方が引き続き利用するために申し込む場合の整理です。既存契約の承継・精算も関係するため、各事業者の手続きを確認します。

年金は「死亡の届出」と「給付の請求」を分けます。

死亡に伴う連絡・届出の要否の確認は、死後事務の段取りに含められます。一方、未支給年金・遺族年金の請求権は、請求資格のある方のものです。死亡届も、日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は原則省略できます。年金関係の書類作成・提出等は、業務範囲に応じて社労士等へつなぎます。

納付書に基づく未払い税金の支払いと、所得税・相続税の申告を代理することも別です。税務は税理士、年金・社会保険の専門業務は社会保険労務士、登記は司法書士、争いのある交渉は弁護士へつなぎます。

別の手続きも、相談先を途切れさせません

契約には「存命のパートナーから申出があった場合、必要な手続きの整理や相談、関係窓口・専門家への連絡調整などを行う」という支援方針を定めておけます。

実際に必要になった段階で、依頼する方、業務の範囲、代理権、費用負担を別途確認します。亡くなった方の死後事務費用と、存命の方の手続きにかかる費用は、区分して扱います。

Aさんが亡くなり、Bさんが同じ家で暮らすなら

以下は説明のための例です。特定のお客様の契約内容ではありません。

  1. Bさんが葬儀を担い、必要な部分を事務所へ

    喪主はBさん。葬儀社との連絡や書類整理など、負担となる業務だけを事務所に依頼することもできます。納骨や精算が残っている間にBさんも対応できなくなった場合の引継ぎも準備します。

  2. 家と、使い続ける設備・家財を残します

    Bさんが住み続ける家は、直ちに解約・明渡ししません。家財は所有者と使用状況を確認します。電気・水道等は停止せずに継続できるよう、各社への連絡順序を調整します。

  3. Bさん名義の手続きは、Bさんから別途依頼

    公共料金の継続利用、Bさんが受取人となる保険金請求などを整理します。必要な専門家への依頼も含め、Aさんの死後事務とは分けて進めます。

  4. その後の見守りは、Bさんご自身の契約で

    連絡窓口や支援内容を見直し、Bさんの生活を支えます。Bさんの死亡時には、Bさんの死後事務委任と遺言に従って、葬送・住まい・財産の手続きを行います。

必要な時点でBさんが新たな依頼を理解・判断できない場合に備え、Bさん自身の生前の委任・任意後見契約も準備します。「そのとき依頼してもらう」だけでは埋まらない部分です。

お一人目と、お二人目の費用を分けて考えます

親ページでご案内している総額250万~300万円程度は、お一人分の死後事務・遺言執行等を含む準備額の目安です。葬儀・納骨・整理等の実費と報酬を含み、お二人一式の金額ではありません。

お一人目の死亡時には、住居の解約や家財の全面整理を行わず、パートナーが多くの事務を担うこともあります。お二人目の死亡時には、それまで必要でなかった住まいの整理等が加わります。各人について、事務所が実際に担う内容と実費を見積もります。

事務所が待機しただけの場合と、一部を支援した場合、執行を全面的に担った場合の報酬を混同せず、契約・見積りで確認します。存命の方からの別途依頼や専門家報酬も分けてご案内します。

将来の執行費用を、契約時に当事務所へ預けていただく方式ではありません。本人名義の口座での準備を基本に、死亡直後の支払い、払戻しまでの資金、立替えの有無・精算方法を具体的に決めます。

よくあるご質問

パートナーが元気なら、事務所は何もしない契約にできますか?

死後事務の執行はパートナーが担い、事務所は待機する構成にできます。ただし、困ったときは部分的な支援を依頼できること、対応できなくなった場合は事務所が担うことを、条件と権限まで具体的に定めます。生前の定期連絡は別に続けます。

名義変更や保険金請求が死後事務に含まれないと、相談できませんか?

相談できます。存命の方・権利者自身の手続きとして、必要になった段階で別途依頼内容を確認します。事務所の業務範囲内で支援し、税務・年金・登記等の専門業務は適切な専門家につなぎます。

同じ家に住み続けるときも、遺品整理をしますか?

故人の物をすべて直ちに処分することはしません。残された方が使う物、思い出の品、共有物、第三者の物を分け、権利関係と本人の遺言・契約を確認します。必要な整理だけを、合意した範囲と時期に行います。

二人の希望と、今の暮らしからご相談ください

「パートナーに任せたい」「最初から専門家に頼みたい」「相手を一人にした後が心配」。吉村行政書士事務所では、お二人それぞれの希望と状況を伺い、任せる人・実務が始まる時期・必要な契約を整理します。

作成済みの遺言・契約や自治体の証明書があれば、お持ちください。まずはお一人でのご相談も可能です。初回相談は無料です。

電話受付:9時~18時 / メールフォーム:24時間受付

制度・手続きの参考情報

2026年10月18日時点で確認した制度・公開報酬を基に説明しています。個別の契約と各窓口の要件を合わせて準備します。

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