相続手続 遺言書作成 死後事務委任 の専門家
パートナーとの関係を、日々の暮らしで伝えるために
証明書でできること。
契約で備えること。
自治体のパートナーシップ制度は、利用できる方の要件も、必要な書類も同じではありません。東京都と渋谷区を例に、お二人に合う準備を整理します。

「病院でパートナーとして説明したい」「住まいや勤務先の制度を利用したい」。証明書は、こうした場面でお二人の関係を伝える資料として活用されています。
まず、利用したい制度・サービスが、どの証明書を受け付けているかを確認する。そのうえで、申請できる自治体と必要書類を選ぶと、準備の順番が見えてきます。
自治体の証明書の取得だけで、法律上の配偶者になったり、相続権や包括的な代理権が生まれたりすることはありません。
暮らしの約束は合意契約、財産の引継ぎは遺言、判断能力の低下への備えは任意後見契約など、目的に応じた準備を組み合わせます。
主なメリットは、パートナーを対象とするサービスの申込みに使えることと、お二人の関係を共通の書類で説明しやすくなることです。住宅や病院の窓口で、その都度関係を説明する負担を軽くする助けになります。
以下は、公式案内で確認できる活用例です。証明書が役立つ部分と、そのほかに満たす条件を分けて見ていきます。
掲載した企業は制度の活用例であり、当事務所の提携先として紹介するものではありません。証明書がなくても利用できる方法がある場合は、それも含めて利用先へ確認します。
証明書は、対応するサービスでお二人の関係を示すために役立ちます。一方、次の事項は、それぞれの法律・契約・手続きで準備します。
また、証明書を取得しても、親族や全ての事業者の対応が一律に変わるものではありません。病院・住まい・葬送などについて、誰に連絡し、誰に何を任せるかを具体的に伝えておきます。
近隣でも制度は異なります。東京都と渋谷区は、次のように準備する書類が違います。以下は主要な相違点です。申請時は、それぞれの最新の手引きで全要件を確認します。
| 項目 | 東京都 パートナーシップ宣誓制度 | 渋谷区 パートナーシップ証明 |
|---|---|---|
| 公正証書 | 提出不要 | 合意契約の公正証書が必要。原則、相互の任意後見契約の公正証書・登記も必要。特例あり。 |
| 地域との関係 | 双方または一方が都内在住・在勤・在学。3か月以内の都内転入予定も対象。 | 双方が渋谷区に居住し、住民登録をしていること。 |
| 年齢・対象 | 双方が成年。双方または一方が性的マイノリティであること。 | 双方が18歳以上。戸籍上の性別を問わず、所定の要件により利用可能。 |
| 届出の方法 | 原則オンライン。利用が困難な場合は予約による来庁手続き。 | 二人で区の窓口に申請。必要な公正証書を先に準備。 |
| 別の配偶者・パートナー | 双方に配偶者(事実婚を含む)がおらず、ほかのパートナーがいないこと。 | 双方に配偶者がおらず、ほかのパートナーがいないこと。 |
このほか、親族関係などの要件があります。同性のパートナーであれば全国どの自治体でも同じ手続き、という制度ではありません。
東京都の受理証明書を取得するために、必ず合意契約書や任意後見契約を作る必要はありません。証明書の申請に必要な準備と、お二人の生活のために必要な契約は分けて検討できます。
合意契約では、真摯なパートナー関係と、同居して協力し、生活費を分担することを公正証書にします。生活費の具体的な分担や財産の精算など、お二人に必要な約束を加えることもできます。
任意後見契約は、AさんがBさんを受任者の一人にする契約と、BさんがAさんを受任者の一人にする契約を準備し、登記を行います。合意契約は二人の合意をまとめた一つの契約ですが、相互の任意後見はそれぞれを本人とする二つの契約です。
たとえば、パートナー以外の人を任意後見受任者とする契約を結んでいる、または結ぼうとしていて、パートナーもそれに合意している場合は、区が定める特例の対象です。
この場合は、特例に該当する理由、能力が低下した相手への援助・意思の尊重など、必要時に速やかに任意後見契約を作成することを、区所定の内容に沿って合意契約公正証書に記載します。その公正証書で確認を受ける方法が設けられています。
ほかにも、生活や財産の形成過程にあり、任意後見で委任する代理権の範囲を特定することが難しい場合など、区が定める特例があります。「任意後見契約は作りたくない」という希望だけで省略する仕組みではなく、該当する理由と所定の合意事項を確認する仕組みです。
証明書のための契約と、実際の支援体制を一緒に考えます。
二人とも高齢の場合、片方がもう片方の財産管理や手続きを担い続けることが負担になる場合もあります。パートナーと専門家の役割を相談し、その設計が制度のどの要件・特例に当たるかを確認します。
合意契約に「援助する」と書くことと、財産管理等の代理権を準備することは別です。また、任意後見契約は、契約を結んだだけで直ちに後見事務を始めるものではなく、現行制度では家庭裁判所による任意後見監督人の選任で効力が生じます。
住宅、病院、勤務先など、利用先が受け付ける証明書と必要条件を確認します。
住所・勤務地・学校、年齢、配偶者やほかのパートナーの有無、親族関係を確認します。
公正証書が申請の要件なら先に準備します。要件でない場合も、生活費や財産の取決め、将来の支援に必要な契約を検討します。
証明書を取得した後も、勤務先や住宅・保険などの登録は別途必要です。連絡先や本人の希望も併せて共有します。
東京都と都内自治体には、証明書を相互に活用する取組もあります。利用したいサービスのために、複数の証明書を取る必要があるかを先に確認すると、手続きや費用の重複を避けられます。
費用は、証明書の交付手数料、戸籍等の取得実費、公正証書を作る場合の手数料、専門家に依頼する場合の報酬を区別します。渋谷区には、証明書取得に必要な公正証書作成費用の一部を助成する制度もあります。
証明書を返しただけで、合意契約や任意後見契約、遺言が一括して取り消されるわけではありません。それぞれの書類の内容と、必要な変更・解除手続きを確認します。
東京都は、パートナーシップ関係に基づく養子縁組を、親族関係の制限から除外する扱いを設けています。ほかの要件も満たせば申請の対象です。一方、渋谷区の手引きでは養親子関係にある間は対象外で、養親子関係が終了した場合を対象としています。自治体ごとの要件を確認してください。
いいえ。自治体への申請と要件の確認が必要です。渋谷区では、公正証書の内容だけでなく、居住・年齢・配偶者の有無なども確認します。東京都では、公正証書を作成せずに宣誓・届出を行う仕組みです。
東京都・渋谷区の上記制度は、兄弟姉妹の共同生活を証明するための制度ではありません。一方、生前の支援・任意後見・死後事務委任などは、兄弟姉妹で暮らす方も、必要な内容に合わせて準備できます。
吉村行政書士事務所では、取得したい証明書、利用したい場面、お二人の暮らしや将来への希望を伺い、申請に必要な書類と、生活のために整える契約・遺言を整理します。
「専門家に任意後見を頼む予定」「すでに合意契約書を作っている」など、決まっていることがあればお知らせください。依頼範囲と費用を確認して、文案作成・公証役場との調整などを進めます。

自治体への宣誓・申請には、ご本人による手続きや二人での来庁が必要な場合があります。依頼できる部分と、ご本人に行っていただく部分を先にご案内します。
制度の要件や利用先は改定されることがあります。申請・利用の際は、リンク先の最新の案内で確認します。